1型糖尿病の方へ

血糖値測定のイメージ写真

私は医師として糖尿病を専門にして以来、多くの1型患者様に接する機会を頂くことができました。その上で、私の1型糖尿病に対しての考え方を述べさせていただきます。

1型糖尿病患者さんへ

まず診断学としての1型糖尿病は劇症1型糖尿病、急性発症1型糖尿病、緩徐進行性1型糖尿病の3つに分類することができます。

これらは発症の症状、経緯、採血結果から診断され、勿論この診断は大変重要な情報ではあるのですが、実はこれらの診断よりもっと重要な情報があります。

それは現時点での内因性インスリン分泌です。
内因性インスリン分泌というのは採血項目のCペプチドで評価されるのですが、1型患者様でもこの値は様々でありますし、また個々の患者様においても発症時期により全く違う値となります。

内因性インスリン分泌がなぜ重要か、それはこの値によって糖尿病治療の難易度や治療選択が明らかに異なるからです。開業以来当院では、全ての糖尿病患者様にこのCPRを評価しつづけておりますが、数多くの症例からみえてきた事は、1型患者様が自分のCPRを把握していない、また医師から説明されていないという事です。

治療の選択について大まかに表現いたしますと、CPRが枯渇している方は、血糖測定はCGM管理、治療はインスリン強化療法(CSIIも検討)+カーボカウントの考え方+場合により炭水化物の軽度制限が必要なことが多いですし、逆にCPRがまずまず良好な方ならばインスリンを朝のみ1回だけに減薬できる事も可能です。

勿論、治療選択に対しては患者様の希望を最優先しますが、まずは患者様一人一人に対し自分の糖尿病治療難易度、合併症の進行状況を把握頂き、そのうえで私たちは私たちができる現状ベストの提案をさせていただきます。

私たちは1型糖尿病患者様がご自身の血糖値、合併症、社会生活、友人との関係など様々な悩みを抱えていることを沢山の患者様より教えていただきました。

「食事に気をつけているのにHbA1cが9%位から全然下がらない。」
「自分の状況がわからない。」などお悩みではないでしょうか。

ぜひ、その胸の内をお聞かせいただきたいと思っております。

私たちは1型糖尿病患者様に対し、誠実に前向きに全力で向き合うことをお約束いたします。
ご自身のお身体について、ご心配ごと不明点など、何でも遠慮なくご相談ください。