糖尿病について

当院糖尿病外来のポイント

血糖値のイメージ写真
  • 糖尿病専門医10名在籍 様々な知見をもつDRがベストな治療法を提案します。
  • 経験豊富な糖尿病療養看護師が治療へ逐次介入
  • 糖尿病の迅速検査が可能 HbA1c値は最速50秒で測定可
  • 血糖、HbA1cだけでなく、血算、腎機能まで当日結果説明可のため、糖尿病性腎症患者さまの対応も可能
  • 最新糖尿病治療を積極的に導入 最新インスリン・GLP-1受容体作動薬
  • 最新糖尿病デバイスを積極的に導入 CGM:リブレ・リブレ2・G7・CSII:ミニメド™780G・メディセーフウィズ・SAP
  • 糖尿病合併症の早期発見 医療設備 検査技師が充実

糖尿病とは?

まず血糖とは??

でんぷんなどの炭水化物は、生命を維持する栄養素として最も大切なものの1つです。
炭水化物は消化されてブドウ糖となり、血液全身の細胞(特に肝臓や筋肉)に取り込まれ、主なエネルギー源として利用されます。
血液中のブドウ糖を「血糖」といい、血糖値とは血液中のブドウ糖の量をあらわしています。

糖尿病とは?

糖尿病は、血糖が増えてしまう病気です。

なぜ糖尿病になってしまうの?

血糖(栄養分)を各臓器に分配する(=血糖が下がる)時に活躍するのが、膵臓から分泌されるインスリン(運送業者の役割)です。
インスリンは必要な分だけ膵臓から分泌されるわけですが、それを邪魔する敵が実は存在します。それが内臓脂肪です。 糖尿病はタイプが何であれ、このインスリンとインスリン抵抗性のバランスが崩れた時に発症します。

多少の内臓脂肪であったら膵臓がインスリンを増員し対応するわけですが、あまりにも多くの敵(内臓脂肪、体重増加、ステロイド等)であったり、あまりにも長く敵と相対してしまうと、膵臓も更なるインスリンの増員対応ができなくなり、ついには、血糖処理が不可能となり、血糖上昇に繋がってしまいます。
一度この流れになってしまうと、悪化の一途(血糖の更なる上昇)をたどる事になります。

注意点!

糖尿病は血糖とHbA1cの値によって診断されます。
血糖とHbA1cは基本的にはある程度の相関性を認めますが、稀に血糖値は正常であるにも関わらずHbA1cのみ高値となる方がおります。
そのような方はそもそも糖尿病ではございません。

残念ながらこの知識を持ち合わせていない先生もおりますので、もしかしたら?と思う方は糖尿病専門医へご相談ください。

糖尿病は、「1型」、「2型」、「その他の糖尿病」、「妊娠糖尿病」があります。

1型糖尿病

1型糖尿病のイメージ写真

1型は主に自己免疫学的機序により、膵臓にあるインスリンを分泌するβ(ベータ)細胞が破壊され、インスリンが出なくなるため高血糖状態となり、糖尿病を発症します。

※免疫とは?自己免疫とは?自己免疫疾患とは?
免疫とはからだの外部からの侵入者である細菌やウイルス等に対して、免疫細胞がやっつける事です。
通常ですと、免疫細胞は「自分」と「自分でないもの」を識別しますが、何らかの影響により、自分の細胞に対して「敵」と認識し攻撃してしまうことで、様々な病気を発症してしまいます。
これらを自己免疫疾患とよび、代表的なものでいえば、1型糖尿病以外ですと甲状腺【バセドウ病、橋本病】、関節等【関節リウマチ】、【重症筋無力症】【全身性エリテマトーデス】等があります。
1型関連情報はこちら

糖尿病ネットワーク

2型糖尿病

一般的な2型糖尿病の主な原因は肥満、つまり内臓脂肪です。
前述のとおり、血糖の処理をめぐり、インスリン対内臓脂肪の戦いがより細かくみていきましょう。

内臓脂肪が少ない場合:正常耐糖能 HbA1c5.2以下

敵(内臓脂肪)がすくないわけですから、インスリンも少ない量で血糖処理に対応できます。膵臓の負担が殆どありません。
これが一番よい状態ですね。

やや肥満の場合: 5.2≦HbA1c<5.5前後

敵が少し多くいる状況です。膵臓は少しだけインスリンを多めに出すことで血糖戦争に勝利しますが、血糖値は少し上昇しています。

肥満の場合:5.5≦HbA1c<6.4前後

敵は強いですね、血糖戦争に勝つ為に膵臓は全力でインスリンを分泌し、なんとか、ぎりぎり勝利している状況です。
ただし血糖はある程度上昇し、「糖尿病一歩手前(糖尿病予備軍)」の状況です。

HbA1c≧6.5

概ね糖尿病の状況です。長年の戦に膵臓が疲れてしまいインスリンはピーク時の半分程度の分泌能となっており、早急な対応が必要です。

この状況になるとその後、加速度的に悪化し、インスリン自己注射が必要な状況となりかねませんので、早めに医療機関を御受診ください。

やせ型の2型糖尿病?

2型糖尿病=肥満の方という印象が世の中にありますが、当院受診の糖尿病患者さまの中にはかなりの割合でやせ型の方が通院しております。
これらの患者さまは2型糖尿病なのでしょうか?いや、なんとも言えないというのが我々の考えです。

これらの患者さまをタイプ分けしてみますと

①1型糖尿病の方

1型糖尿病はGAD抗体等の自己抗体が陽性になると正式な診断となりますが、糖尿病発症からある程度時間が経過した後の検査では、本来は1型糖尿病なのにもかかわらず、『抗体陰性』、つまり2型糖尿病の診断を受けてしまうことがあります。

②2型糖尿病ではあるが、そもそもインスリン分泌が低下している方

インスリン分泌能力は人種毎、各個人で千差万別であり、そもそもインスリンが出づらい方という方がいらっしゃいます。

③やせ型だが、インスリン抵抗性が高い方

従来は肥満の方=内臓脂肪が多いと認識していましたが、やせ型の方でも「代謝的肥満」があり、肥満者と同様にインスリン抵抗性が生じている事が示唆される研究があります。

上記の①②③の判別にはやはり専門医的知識が必要ですので、糖尿病専門医へご相談ください。

その他の糖尿病

①遺伝子異常で起こる糖尿病、②何らかの特定される他の病気が原因で起こる二次性糖尿病に分けられます。

①遺伝子異常で起こる糖尿病

遺伝子異常で生じる糖尿病です。

②二次性糖尿病

血糖が上がる機序としてインスリン抵抗性がありますが、主には内臓脂肪によるものですが、身体に何らかの異常(悪性腫瘍、感染症、膠原病等)を認めると、アドレナリンが分泌され血糖上昇をきたします。原因不明の血糖上昇の陰には何らかの疾患が隠れている場合はありますので、それらの精査が必要となります。

糖尿病治療について

糖尿病治療についてのイメージ写真

糖尿病の診断を受けた後の治療は何があるのでしょうか?
患者さまの中には、様々な理由で医療機関の受診を足踏みしている方が多くいらっしゃるのだろうと思います。
不安な気持ちはとてもわかるのですが、受診を遅らせるとインスリン導入リスクが高まってしまうので勇気を出して受診頂きたく思います。

当院では、患者さまにまず患者さまの糖尿病のタイプ、インスリン分泌能力、インスリン抵抗性、今後起こりうる事を説明いたします。
そのうえで、患者さま毎の目標設定を行います。
糖尿病治療はHbA1cの改善が最終ゴールではございません。
最終ゴールは糖尿病にできるだけ振り回されず人生を謳歌することである
と私は考えます。

例えば80歳以上で軽度の糖尿病の診断をされた方には「現状以上の食事制限はいたしませんし、むしろ食事を楽しんでください、多少血糖が上がっても、問題ないでしょうし、1つ2つの内服薬で問題ないですよ」とお話しします。
30歳肥満の方でしたら、①まずはHbA1cを5.9%まで落とすこと、②次にインスリン、内服糖尿病薬をできるだけ減らすこと、③薬を卒業すること、④体重を正常体重まで減らし、脂肪肝を示唆する検査値を正常化する事 の指導をいたします。

糖尿病の治療戦略は世の中のビジネスのやりかたと違いはございません。 ビジネスでいう、rPDCAをいかに回し、患者さまご自身で改善できる知識をいかにお伝えできるか、それが我々医療チームの役割と認識しております。

具体的な治療について

①インスリン治療が永続的に必須な方(主に1型糖尿病)②主に2型糖尿病の方で大きく分かれます。

①インスリン治療が永続的に必要な方

患者さま毎の最適な治療をご提案いたします。

インスリン治療 1型糖尿病

②2型糖尿病の方

ご自身のインスリン分泌がある程度保っている方での治療の選択肢としては、食事療法、運動療法、薬物療法がありますが、最も重要なものは明らかに食事療法です。食事療法を患者さま個人個人が正しく認識し実行すれば、驚くほどのHbA1c改善が期待できます。

それはなぜでしょうか?

答えは、運動療法での血糖降下作用や、糖尿病治療薬の効果よりも、食事療法での血糖改善作用が明らかに効果絶大だから。
我々人間は自分の想像以上にカロリーを摂取しているから、となります

当院では初診の際に、患者さま一人一人の食事量、食事内容をお聞きしておりますが、原因はある程度集約されます。 わかりやすい例でいえば、飲み物(甘いレモンティーやジュース等)、果物、お菓子、そもそもご飯の茶碗が大きすぎる、等々です。

これらを気を付けるだけで、1か月で劇的な改善が期待できます。

まずは自分の食事量を把握し、頑張ってみる!それでも改善しないならば、内服を検討してみる。それでいいのではないでしょうか。

治療の主体はあくまで患者さまご自身ですが、我々医療スタッフは患者さまのよき伴走者でありたいです。

糖尿病の治療で少しでもお悩みがございましたら、お気軽に当院へご相談ください。

糖尿病合併症

糖尿病合併症のイメージイラスト

合併症は、糖尿病特有の細小血管障害と大血管障害に大別されます。
3大合併症には網膜症、腎症、神経症があります。

細小血管障害

①糖尿病網膜症

目の内側には網膜という組織があり、光や色を感じる神経細胞が敷きつめられています。高血糖の状態が長期間続くと、ここに張り巡らされた細い血管が動脈硬化による損傷を受けることで血流が悪化し、そのため栄養と酸素が十分に供給されず、視力低下を引き起こします。進行してしまうと出血や網膜剥離を引き起こしたり、時には失明に至ったりするケースもあります。また、白内障の合併率も上昇します。
糖尿病網膜症は、かなり進行するまで自覚症状を伴わない事が多いため、目に特別な異常を感じなくても定期的な眼科受診をお勧めします。

②糖尿病神経障害

主に末梢神経が障害されることから生じます。その症状の出方は「足の痺れ」「やけどや怪我の痛みに気づかない」、胃腸の不調(下痢や便秘)、立ちくらみ(起立性低血圧)、排尿障害、発汗異常、勃起不全など、多様な症状が現れてきます。
各々の神経障害に対し進行度を把握する事は難しいことが多いですが、当院では「CVRR検査」により全体的な神経障害の進行度合いを検査しております。

③糖尿病腎症

高血糖が続くと、血液を濾過して尿をつくる腎臓の糸球体という部分の毛細血管が傷害を受けることで腎機能が低下し最終的には人工透析に至ります。人工透析は、週に2~3回、1回4時間ほどもかかるため、生活に大きな影響を及ぼします。
人工透析導入理由の第1位がこの糖尿病性腎症であり、糖尿病性腎症も自覚症状が無いままに進行しますので、早期発見のために定期的な腎機能検査が必要です。

近年、糖尿病性腎症の進行抑制に対して以前より極めて有効な糖尿病薬(SGLT2阻害薬、GLPI受動体作動薬)が報告されており、当院では糖尿病性腎症に対して積極的にこれらの薬剤を使用しております。

大血管障害

高血糖が続くことで太い血管に起こる3つの病気

糖尿病により高血糖状態が続くと、太い血管にもダメージが起こります。このダメージを動脈硬化と呼びます。動脈硬化を起こした血管は狭くなり、時には詰まってしまうこともあります。血流が悪くなったり、完全に詰まったりすると、様々な病気を引き起こします。血糖コントロールの目標はHbA1c5.9%以下です。
大血管障害は、高血糖・高血圧・脂質異常症・肥満(特に内臓肥満)の4つの組み合わせで起こりやすくなります。これは「メタボリックシンドローム」の4つの要素と同じです。
その他にも、喫煙・加齢・運動不足・ストレス・不適切な食生活などが動脈硬化の原因となります。したがって、動脈硬化を予防するためには、糖尿病の治療はもちろんのこと、肥満や高血圧、脂質異常症など、他の生活習慣病も同時に治療していくことが大切です。

①狭心症、心筋梗塞

心臓に酸素や栄養を供給している冠動脈が硬化・狭窄し、冠動脈の内腔が狭くなったところに、血液の塊(血栓)が詰まって血管を塞いでしまうと、酸素が供給されなくなった部位がダメージを受け、心筋梗塞を発症します。通常の心筋梗塞の場合、胸が強く締めつけられるような激しい痛みが生じますが、糖尿病による神経障害を併せ持っている患者さまでは、痛みを覚えないケースもあります(無痛性心筋梗塞)。

当院では開院以来50名以上の無症状狭心症患者を発見しております。
当院施行の心電図、CAVIにて早期発見し、連携するクリニック、総合病院に紹介。
冠動脈CTや心臓カテーテル検査で確定診断、治療の流れとなります。

②脳梗塞

脳の血管が詰まってしまい、詰まった箇所の先に血液が供給されなくなってしまうのが脳梗塞です。閉塞を来たした場所により様々な症状が生じます。
当院では頸動脈エコー検査で評価を行います。

③末梢動脈性疾患

足の血管の動脈硬化が進行し、動脈の狭窄や閉塞によって血流が悪化することによって生じます。症状としては、足やふくらはぎが痛くなって運動ができない、休み休みでないと歩けない(間欠性跛行)などがあります。

さらに症状が進むと、潰瘍や壊疽(えそ)、足切断に至るケースもあります。
当院ではABI検査で評価を行います。

クリニック概要

受付時間

第1、第3水曜日のみ17:15まで受付
12:15まで受付
休診日:土曜午後、日曜、祝日(場合により診療あり)
  日祝
8:45~15:45

アクセス

【住所】
〒362-0075 埼玉県上尾市柏座2-4-28 エリア赤熊1階
【TEL】
080-7797-8569
【電車】
JR上尾駅より徒歩5分
【駐輪場】
入口左脇に駐輪スペースあり(赤丸の位置が駐輪スペースです。)
【駐車場】
シード第6駐車場・カーオアシス上尾西口駐車場利用で1時間無料券配布しております。
【キャッシュレス会計】
クレジットカード決済に対応
【主な診療内容】
糖尿病全般、内分泌疾患(主に甲状腺)、生活習慣病
【院長】
松本 壮一(日本糖尿病学会 糖尿病専門医)
駐輪場スペースの写真