反応性低血糖について
~糖尿病の診断をされていない方の低血糖症状~

よくある症状

以下のような症状がある方は、「反応性低血糖」が原因の可能性があります。

  • 食後2〜3時間でフラフラする・冷や汗が出る
  • 急にイライラ・不安感が強くなる
  • 集中できない、強い眠気がある
  • 空腹でもないのに「なにか食べないとつらい」
  • 健康診断では異常がないが、体調不良が続く

反応性低血糖とは?

糖尿病でなくても起こりうる「食後に血糖値が下がりすぎる」状態を指します。
一見健康に見える方でも、実際には食後の血糖が乱高下しており、それが強い体調不良の原因となっている場合があります。

なぜ起こるのか?

以下のような流れで血糖が乱高下し、結果的に強い不調を引き起こします:

原因
① 炭水化物多めの食事(白米・甘い飲料など) 血糖値が急上昇します
② インスリン過剰反応 血糖を下げようと大量にインスリンが出ます
③ 過剰に下がる 反動で血糖値が基準以下に下がり「低血糖」になります

原因となりやすい方の特徴

  • やせ型の女性
  • 筋肉量が少ない方
  • ストレスや不規則な生活が続いている方
  • 胃の手術(胃切除、バイパス手術など)の経験がある方
  • 正常~境界型糖尿病、糖尿病初期(HbA1c 5.7〜7.0%前後)の方

診断・対応について

【1】症状の詳細を確認します

  • 症状が出るタイミング(食後2〜3時間など)
  • 食事内容との関係(甘い物や白米のあとに出るか)
  • 精神的な不調との関連(イライラ、不安感、抑うつなど)

【2】必要に応じて血糖の動きを「見える化」します

  • 血糖持続測定(CGM:リブレなど)で食後の血糖の変化と症状を記録します
  • 食事・活動・症状の記録とあわせて、血糖スパイクや急降下のパターンを分析します

【3】まれに重大な病気が隠れていることもあります

以下のような場合は、インスリノーマ(インスリン産生腫瘍)などの鑑別が必要です。

  • 空腹時や夜間にも強い低血糖がある
  • 失神・けいれんなどを伴う
  • 低血糖時にもインスリン値が高い

【4】治療方針の例

内容
食事の工夫 低GI食品を中心に、1日5〜6回の少量分割食などで血糖変動を抑えます
食べる順番 野菜 → たんぱく質 → 炭水化物の順が有効です

よくあるご質問(Q&A)

Q1. 健康診断では異常なしと言われたのですが?

反応性低血糖は、通常の空腹時血糖やHbA1cでは見つかりにくいため、健康診断だけでは見逃されることが多いです。

Q2. 病気ではないのでしょうか?

命に関わる病気ではありませんが、日常生活や仕事・学業に支障をきたす可能性があり、放置しない方が良い状態です。

Q3. 精神的な不調と言われましたが…?

実際に血糖変動が原因で脳内の神経伝達物質に影響が出ることがあります。
「気のせい」ではなく、血糖の問題である可能性があります。

Q4. インスリノーマはどれくらいの頻度ですか?

非常にまれですが、特に空腹時・夜間に重度の低血糖症状がある場合は検査をおすすめします。

ご相談を希望される方へ

  • 「なんとなく体調が悪い」「日中の不調が気になる」という方も、遠慮なくご相談ください。
  • 初診時はこれまでの検査結果や、お薬手帳・健康診断結果をご持参ください。

クリニック概要

受付時間

★ 第1、第3水曜日のみ17:15まで受付
休診日:土曜午後、日曜、祝日(場合により診療あり)
  日祝
8:45~16:15
8:30~12:30

所在地

〒362-0075
埼玉県上尾市柏座2丁目4−28 エリア赤熊 1F

電話番号

080-7797-8569

交通アクセス

JR高崎線「上尾駅」西口より徒歩約5分の立地にあり、公共交通機関をご利用の際も至便です。

駐輪場について

当院入口左手側に専用駐輪スペースを設けております。(赤丸表示の位置)

駐車場について

以下の提携駐車場をご利用の患者さまには、1時間分の駐車料金無料サービス券をお渡ししております。

  • シード第6駐車場
  • カーオアシス上尾西口駐車場

ご利用の際は、会計までお申し出ください。

駐輪場スペースの写真

会計方法

各種クレジットカードによるキャッシュレス決済に対応しております。
(対応ブランドの詳細は窓口にてご確認ください)

診療科目および対象疾患

当院では、以下の疾患領域を中心に、専門的かつ継続的な診療を提供しております。

  • 糖尿病(1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他特殊型糖尿病を含む)
  • 内分泌疾患(主に甲状腺疾患)
  • 高血圧症、脂質異常症等をはじめとする生活習慣病

エビデンスに基づいた医療を提供しつつ、患者さまの生活背景や価値観を尊重した個別性のある診療を心がけております。

院長

松本 壮一(まつもと そういち) 
日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医